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埼玉の大地震 (埼玉県及び川越市の大地震の予測)

首都圏に大地震が起こる確率は、今後30年間で約70パーセントといわれており、非常に高い確率で近々大地震が起こるであろうと予測されています。
一方、平成16年から川越市では、自主防災会を各自治会単位でつくってきました。我々の町にも「住友あおい自治会自主防災会」があります。 この目的は、大地震などの災害が起こった場合、初期消火や救出・救護等の防災活動を行い、被害の防止・軽減に大きな役割を果たすと考えられているためです。
この自主防災会が有効に活動するためにも、またわれわれの日頃の備えのためにも、我々の住んでいる地域で、どんな地震が起こるのかを知ることは重要なことです。
そこで、今回パソコンクラブのホームページを利用し、現在埼玉県や川越市が行っている大地震の予測を紹介することにしました。

目    次
クリックすると各章にジャンプします。
第一章 大地震の被害を振り返る 1-1 阪神淡路大震災 1-2 新潟県中越沖地震による住宅内部の被害
第二章 地震の起きるメカニズム 2-1 地球のプレートの分布 2-2 プレートの誕生と終わり 2-3 日本付近のプレートの分布 2-4 地震の起きるメカニズム
第三章 想定される5つの地震と地盤の軟らかさ分布 3-1 想定される5つの地震 3-2 5つの地震の断層の位置 3-3 埼玉県の表層地盤の軟らかさの分布
第四章 想定地震による震度分布と被害の概要 4-1 海溝型地震 4-2 活断層型地震
第五章 5つの想定地震による川越市の被害 5-1 埼玉県による被害想定調査 5-2 川越市による被害想定調査 5-3 川越市が対策目標とする地震の被害想定
第六章 川越市と上戸新町の震度分布と全壊棟数率 6-1 東京湾北部地震 6-2 綾瀬川断層による本市直下型地震 6-3 全壊棟数率
第七章 地震の震度と住宅の被害・体感・屋内外の状況 ・震度と木造住宅の被害 ・人の体感・行動、屋内の状況、屋外の状況
第八章 埼玉県の大地震のまとめ 8-1 大地震の概要 8-2 今後の課題

第一章 大地震の被害を振り返る

阪神淡路大震災が起こってから15年以上がたち、我々の記憶も薄れがちになっています。そこでもう一度、大地震による被害状況を振り返っておきましょう。

1−1 阪神淡路大震災

1995年に起こった阪神淡路大震災では、死者は6,434人を超え、負傷者は43,792人に上っています。この6,434人の死者の約9割は圧死によるといわれていて、その大部分は木造住宅の下敷きになって亡くなりました。
また中・高層ビルも多くの被害をこうむり、鉄道や港湾施設も破壊され、都市機能が麻痺してしまいました。 建物の被害は、全壊104,906棟、半壊は144,274棟となっています。そして、この震災による被害を金額に換算すれば10兆円以上に上るということです。
以下の写真にその惨状を示しますが、近い将来起こるであろうと言われている、東京都の直下型地震(東京湾北部地震)ではこの数倍の被害を受けるであろうと予測されています。
我々自身、また我々の家族・知人が、日頃出かけることが多い東京が、大地震ではこのような被害を受ける可能性があることを頭に入れておきましょう。

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燃え上がる都市 火災による焼け跡 大被害を受けたビル街
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液状化による砂の噴出 岸壁の被害 1階部分が壊れた共同住宅
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1階の崩壊で大きく傾いた共同住宅 中間階が壊れたビル 共同住宅廊下の被害
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転落した渡り廊下 家屋の崩壊 家屋の崩壊
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1−2 新潟県中越沖地震による住宅内部の被害

2007年新潟県上中越沖の深さ17km.でマグニチュード6.8の地震が発生し、新潟県柏崎市、長岡市、刈羽村、長野県飯綱町で震度6強、新潟県上越市、小千谷市、出雲崎町で震度6弱を観測しました。
この地震により、死者15名、負傷者2,346名、住宅全壊1,331棟、半壊5,709棟、一部破損37,301棟の被害が発生しました。
この地震でも、ビル、道路、鉄道、河川、港湾施設などが破壊され、一部で火災が発生しましたが、全体的に山間部で人口が密集する都市が少なかったこと、豪雪地帯のため雪に押し潰されないよう建物が頑丈に作られていたこと、また小千谷市などでは阪神淡路大震災以来災害に備えた街つくりを進めていたことなどが、被害を抑えた要因だといわれています。
このように、地震被害としては阪神淡路大震災を上回るものではありませんでした。
その中で今回見ていただきたい写真は、半壊、一部破損、外見上無被害の住宅の内部の写真です。
半壊、一部破損はもちろんですが、一見無被害に見える住宅でも、大地震に見舞われると住宅は、壁や柱・梁の破損はもちろんですが、家具などが転倒したり、大移動して住人が怪我をする可能性があります。 上戸新町の住宅は、しっかり建てられたものが多いので、大地震時に崩壊しないかもしれませんが、その分、家具などにより住人が怪我をする可能性も高いといえます。
そこで、新潟県中越沖地震での建物内部の破損状況や家具の転倒・移動状況の写真を以下に示しますので、大地震時の備えの参考にしてください。

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第二章 地震の起きるメカニズム

(ちょっとややこしいので、この章を飛ばしても問題ありません)

2-1 地球のプレートの分布


地球の表面は、図に示したように何枚かの固い岩盤(プレートと呼ぶ)で構成されており、このプレートが、対流するマントル(プレートの下にある、高温で流動性を持った岩石の層)に乗って互いに動いています。

2-2 プレートの誕生と終わり(沈み込み)

プレートは一般に海嶺と呼ばれる海底火山により誕生し、海溝と呼ばれる大陸近辺の深海から地球深部へ沈み込んでいきます。


東太平洋海嶺で生まれた太平洋プレートが日本と南米で沈み込んでいる図です。


日本海溝(プレートの沈み込み)と東太平洋海嶺(プレートの誕生)の部分を拡大した図です。
*プレートの沈み込みと火山は深い関係がありますが、今回は説明を省略します。

2-3 日本付近のプレートの分布

日本付近では、深さ6,000m.の海底から太平洋プレートが日本海溝に沈み込み、深さ4,000m.の海底からフイリッピン海プレートが相模トラフ、駿河トラフ、南海トラフに沈み込んでいます。また、これらのプレートの沈み込みにより、関東地方にはほぼ東西方向の圧縮力が働いています。


日本付近の海から、海水を取り去った地形図です。太平洋プレートが沈み込む日本海溝と、フィリッピン海プレートが沈み込む相模・駿河・南海トラフが鮮明に姿を現しています。


日本付近のプレートとその移動の方向、関東地方に働く東西の圧縮力及びプレートの沈み込みを表した断面図です。

2-4 地震の起きるメカニズム

(1) 海溝型地震(プレート境界で起きる地震)

太平洋プレートおよびフィリッピン海プレートが沈み込む時、陸側のプレートを引きずり込み、両者の摩擦が限界に達したとき陸側のプレートが反発し跳ねあがって、地震が起こります。また、沈み込むプレートが内部で割れて地震が起こることもあります。これらプレートが原因で起こる地震を海溝型地震といいます。

(2) 活断層型地震

太平洋プレートやフィリッピン海プレートの沈み込みにより、関東地方にはほぼ東西方向の圧縮力が働いています。一方、関東地方にはさまざまな断層があり、圧縮力によりその断層が数千年、数万年の単位で“ずれ”を起こします。それが活断層型地震です。

(3) 首都圏で発生する地震のタイプ

関東地方の地下には最深部に太平洋プレートが、その上にフィリッピン海プレートが沈み込んでいます。そしてその上の陸側のプレートに断層があり、これらが原因で地震が起こります。我々の住んでいる首都圏で発生する地震のタイプを下図に示します。


1が活断層型地震です。

2〜5が海溝型地震です。


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第三章 想定される5つの地震と地盤の軟らかさ分布

3−1 想定される5つの地震

埼玉県で今後30年間で、起こる確率が高いと想定されている地震は、以下の5つの地震と予測されています。


*ある程度の切迫性が高いとは、一般に今後30年間に約70%の地震発生確率と考えられています。
*今後30年間に0.3〜0.08%の地震発生確率というのはというのは、約1万年〜3万年に一回地震が起こる可能性があるということです。これは活断層型地震としては決して低い確率ではなく、いつ起こっても不思議ではないと考えられています。

3−2 5つの地震の断層の位置

想定されている5つの地震の断層の位置を下に示します。



東京湾北部地震、茨城県南部地震は海溝型地震

深谷断層、立川断層、綾瀬川断層で起こる地震が活断層型地震

3−3 埼玉県の表層地盤の軟らかさ分布

地震の被害は地盤と大きな関係を持っているといわれており、一般的には軟らかい地盤がゆれやすい地盤とされています。
以下に埼玉県の表層地盤の軟らかさ分布図を示します。
(これ以降に各地震の震度分布を示していきますので、この分布図と照らし合わせてください。)

3−4 川越市の地図

川越市の地図を示します。今後想定地震に対する震度分布の図が種々出てきますが、川越市の中での上戸新町の位置を下図を参考にして憶えておいてください。
が上戸新町の位置です




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第四章 5つの想定地震による震度分布と被害の概要

第三章で述べた5つの想定地震による埼玉県の震度分布を示します。
また各地震の震度分布図の下に、埼玉県が行った、地震被害想定調査の結果を記します。
ただしこの地震被害想定調査の結果は、埼玉県全体としてみた場合です。各市町村で見た場合、震源に近い場所では局地的に被害が大きくなることがあります。
川越市の場合も、綾瀬川断層による地震は直下型地震であり、川越市にとっては5つの想定地震の中で最も被害が大きいと予測される地震になっています。このため川越市は、さらに詳細な調査を行い、被害を予測し、川越市地域防災計画を策定しています。
これについては、第五章で述べます。

4−1 海溝型地震

(1) 東京湾北部地震

(2) 茨城県南部地震

4−2 活断層型地震

(1) 立川断層による地震

(2) 深谷断層による地震

(3) 綾瀬川断層による地震




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第五章 想定地震による川越市の被害

5-1 埼玉県による被害想定調査

埼玉県は各市の被害想定を行っています。そのうち川越市の被害想定結果を以下に示します。
この想定結果を見ると埼玉県全体での評価と違って、「綾瀬川断層による地震」が川越市に最も大きな被害をもたらす地震になっています。
この地震が発生した場合、本市における最大震度は6強と予想されています。


(上表の震度は計測震度になっています。通常の震度階との関係は下記をご覧ください。)

*計測震度(連続値)と震度階(整数値)の関係

震度は、ある地点での地震の揺れの程度を表すものです。従来は気象庁が地震の体感や被害状況などから、その大きさを0〜7の整数地で決めていました。それを震度階(整数値)と呼んでいます。
しかしながら、現在は器械により観測され、計測震度と呼ばれます。計測震度は加速度波形から計算されます。計測震度の計算には、加速度の大きさの他にも、揺れの周期や継続時間が考慮されますので、最大加速度が大きい場所が震度が大きくなるとは限りません。地震の種類や、観測点の地盤や地形などによって異なります。
両者の関係は上表に示すようになっています。

5-2 川越市による被害想定調査

前述したように、川越市に最も被害をもたらす地震は、「綾瀬川断層による本市への直下型地震」です。
阪神淡路大震災や最近起こったニュ―ジーランドの地震のように直下型地震は大きな被害を引き起こす可能性があるので、川越市では埼玉県による調査結果を参考に、「綾瀬川断層による本市への直下型地震」による被害の詳細な調査を行いました。
その結果を以下に示します。


以上のように、「綾瀬川断層による本市への直下型地震」は相当大きな被害を引き起こす可能性があることがわかりました。
しかしながら、綾瀬川断層の詳細は現在の段階では明確にわかっておらず、今後も調査が行われること、海溝型地震に比べ発生確率が低いと思われること、「本市直下型地震」に対応可能な対策を短期間で整備することはその被害の大きさからも容易ではないことなどがあります。
そのため、川越市では、5つの想定地震の中では、本市に与える被害の程度は「本市直下型地震」より低いものの、より発生の切迫性が高いと考えられている「東京湾北部地震」を当面の対策目標とし、最終的な対策目標を「本市直下型地震」とするとしています。

5-3 川越市が対策目標とする地震の被害想定

以上のような経過をたどり決定した、川越市が当面の対策目標とした「東京湾北部地震」の被害想定と、最終の対策目標としている「本市直下型地震」の被害想定は以下の通りです。





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第6章 川越市と上戸新町の震度分布と全壊棟数率

同じ地震でも場所・地盤などによってその震度は異なります。
そこで川越市が対策目標とする「東京湾北部地震」と「綾瀬川断層による本市直下型地震」の川越市部分の震度分布と、川越市が「ハザードマップ」で公表している全壊棟数率全壊棟数率を検討してみましょう。
上戸新町の位置は3-3川越市の地図を見て確認してください。

6-1 東京湾北部地震

下図に示すように「東京湾北部地震」では、川越市は西部がおおむね5強、東部は6弱の部分が多く、一部6強が部分的にあるようです。
上戸新町はおおむね5強です。

6-2 綾瀬川断層による本市直下型地震

下図に示すように「綾瀬川断層による本市直下型地震」では、川越市は西部が6弱の部分が多くなっており、市中心部と東部は6弱と6強の部分が混在しています。
上戸新町はおおむね5強で一部6弱になっています。

6-3 全壊棟数率(川越市地震ハザードマップより)

川越市は「地震ハザードマップ」を作成しており、その中で「地域の危険度マップ」として「綾瀬川断層による本市直下型地震」を受けたときの全壊棟数率を示しています。
川越市の西部は全壊棟数率がおおむね5%以下で、一部に5.01〜8.00%地域が入っているようです。
大被害を受けるのは市中心部と東部地域に見られ、この地震が起こった場合、相当数の建物が被害を受けるようです。
上戸新町は大部分が5%以下で一部に5.01〜8.00%地域が入っているようです。





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第七章 地震の震度と住宅の被害・体感・屋内外の状況

この資料は、ある震度が観測された場合、その周辺で実際にどのような現象や被害が発生するかを示すもので、気象庁が発表している「気象庁震度階級関連解説表」から「震度と木造住宅の被害」 「人の体感・行動、屋内の状況、屋外の状況」を抜粋したものです。





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第八章 埼玉県の大地震のまとめ

8-1 大地震の概要


1 東京都が直下型地震(東京湾北部地震)に襲われた場合、阪神淡路大震災に数倍する被害をこうむると予測されている。
2 大地震を受けた場合、一見無被害に見える住宅でも、室内の家具の転倒や移動などにより、住人が怪我をする危険がある。
3 埼玉県で今後30年間に起こる確率が高いと予想されている地震は次の5つである
(1)東京湾北部地震(海溝型地震)
(2)茨城県南部地震(海溝型地震)
(3)立川断層帯地震(活断層型地震)
(4)深谷断層地震 (活断層型地震)
(5)綾瀬川断層地震(活断層型地震)
4 埼玉県全体では、「東京湾北部地震」が最も被害が大きい。
5 川越市では、「綾瀬川断層による本市直下型地震」による被害が最も大きい。
6 川越市では、「東京湾北部地震」を当面の対策目標とし、「綾瀬川断層による本市直下型地震」を最終的な目標とし、震災対策計画を策定している。
7 川越市及び上戸新町の震度と全壊棟数率
(1) 東京湾北部地震
・川越市は西部がおおむね5強、東部は6弱の部分が多く、一部6強が部分的にある。
・上戸新町はおおむね5強のようです。
(2)綾瀬川断層による本市直下型地震
・川越市は西部が6弱の部分が多くなっており、市中心部と東部は6弱と6強の部分が混在しています。
・上戸新町はおおむね5強で一部6弱になっています。
(3)全壊棟数率
・川越市の「ハザードマップ」では、綾瀬川断層による本市直下型地震におそわれた場合、市中心部と東部地域が建物の相当数で被害を受けるようです。
・上戸新町は大部分が5%以下で一部に5.01〜8.00%地域が入っているようです。
8 震度6弱の場合の木造建物の被害
(1)耐震性が高い建物
・壁などに軽微なひび割れ・亀裂が見られることがある。
(2)耐震性が低い建物
・壁などのひび割れ・亀裂が多くなる。壁などに大きなひび割れ・亀裂がはいることがある。
・瓦が落下したり、建物が傾いたりすることがある。倒れるものもある。
9 震度6弱の場合の人の体感・行動、屋内の状況、屋外の状況
(1)人の体感・行動
・立っていることが困難になる。
(2)屋内の状況
・固定していない家具の大半が移動し、倒れるものがある。
・ドアーが開かなくなることがある。
(3)屋外の状況
・壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。

8-2 今後の課題

今後30年間に起きる確率が高い地震に対して、川越市と上戸新町の震度と建物の全壊棟数率は大体わかってきました。
それでは、そのような大地震に対する対応はどうでしょうか。
上戸新町には、住友あおい自治会自主防災会があり、毎年防災訓練を行い、自治会の会員も熱心に参加していますが、実際に大地震が起こったときの対応に関しては、まだまだ不十分と言わざるを得ません。
われわれの自治会には、消防署・警察関係の人、医師、先生、建設関係の人、また防災意識が高く自分で勉強をされた方などが多くおられるのではないかと思います。
今後高齢化がますます進み、災害弱者が増えていく中、それらの方に住友あおい自治会自主防災会をサポートしてもらい、災害時に自治会全体で助け合っていけるような体制を整備していく必要があると思います。

* 終わりに
埼玉県では、地震被害想定調査をほぼ10年ごとに行っています。最新の調査は平成19年に行っており、この「埼玉の大地震」も主にその調査報告書によっています。
地震にたいする研究は日進月歩で進んでおり、埼玉県の地震被害想定調査も改訂されていきます。そのような場合には、このホームページも書き換えていくつもりです。
また、この「埼玉の大地震」にご助言をいただければ、書き換えや追加をいたしたいと思いますので、宜しくお願いいたします。

* 付録(地震の長期予知と直前予知)
地震予知とは、将来の地震の発生をあらかじめ知ることです。大事なのは「いつ」「どこで」「どの程度の大きさか」を知ることで、これを地震予知の3要素と呼びます。単に「大地震が起きる」と言い続けて、どこかで実際に起きたとしても、予知したことにはならなりません。
予知は「長期予知」と「直前予知」の2種類があります。前者は過去の地震の発生間隔などを分析し、数十年から100年程度の将来を予測するもので、都市計画や耐震化の推進などに役立てます。後者は地震直前の前兆現象をとらえ、社会に警戒を促すのが目的です。
長期予知は阪神大震災以降、政府の地震調査委員会が全国110の活断層と海溝沿いの地震を対象に実施してきました。長期評価とも呼ばれ、各地震についてマグニチュード(M)を推定し「M8級が30年以内に起きる確立は1%」などと数字を公表しています。
一方、直前予知の対象は東海地震だけです。海溝型地震の1つである東海地震は、発生直前に想定震源域のプレート境界がゆっくりと滑り始める「前兆滑り」という現象が起きる可能性があり、気象庁はこの検出を目指して24時間体制で監視しています。
直前予知の観測網や監視体制が敷かれているのは東海地震だけで、それ以外の地震で直前予知は不可能です。東海地震も前兆滑りが起きなかったり、起きても検出されない可能性があり、気象庁は「必ず予知できるわけではない」としています。

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